Shubb S1 レビュー
恐らく世界で一番有名なカポブランドのシャブ。
その中でも最もスタンダードなモデルのS1をレビューしていきます。
素材はステンレス製。
スリーブはゴム製です。
Rは9~16inchまで対応しています。
殆どのギターに装着することができますね。
素材もステンレスやニッケル、ブラスやアルミなど色々リリースされています。
ちなみにシャブのモデルの数字は
と割り当てられています。
間違ったものを購入しないように注意しましょう。
こちらがシャブのラバースリーブ。
耐久性が高く、数十年使っても問題ないそうです。
交換用スリーブも数百円で購入可能です。
かなりユーザフレンドリーですね。
感触も硬すぎず柔らかすぎずでバランスが非常に良いです。
弦を押さえる部分が若干丸みを帯びています。
NSカポやG7thのカポはストレートですが、このお陰でシャブは指で押さえた時に近い音が出ます。
このちょっとした工夫も素晴らしいですね。
ローラー内蔵のレバー。
着脱がかなりスムーズに行えます。
また下部のネジで締め付けの強さを調節出来ます。
これはバネ式カポでよく見られる、締め付けが強すぎて音がシャープしてしまう現象を最小限に抑えることができます。
今でこそ締めつけ強度を調節可能なカポはスタンダードになりましたが、当初はかなり革新的なアイディアだったと思います。
シャブのカポに対する考え方や真剣さが伝わってきますね。
実際装着してみた所。
とてもミニマルなデザインで洗礼されています。
カポはなるべくフレットに近いところに装着すると、チューニングの狂いが少ないです。
といってもフレットの真上だと、スリーブ部分で弦振動が抑制されてしまいます。
特別な理由がない場合は、画像の位置に付けておけば問題ありません。
こちらが裏から。
Furch(nut 45mm)の場合、5フレットまでは問題なく装着できますが、6フレットあたりから弦が6弦側に持ち上げられ音がシャープしてしまいます。
取り付け方を工夫すれば弦を持ち上げずに装着できますが、そうすると全弦均等に圧力をかけることが難しくなります。
ちなみに装着するだけなら10フレットまで行けましたが、音程が変わってしまうので実用性は薄いです。
11フレットは長さが足りず全弦押さえることができませんでした。
ここまで上にカポを付ける事は稀ですが、参考までに。
Furchは指板が広いので対応できる幅も狭くなりますが、一般的なギターなら7フレット辺りまでが実用的だと思います。
自分のギターをしっかり観察して、使える範囲をある程度把握しておくことが大事です。
- サウンド
非常に高いレベルでバランスのとれた音です。
低音から高音までしっかりと出ますね。
指で押さえている時とのキャラクターの差が少なく、とても自然で音楽的な音です。
その分音に若干荒さがあります。
しかし個人的にこれはデメリットとは捉えていません。
他ブランドのクリアな音質のものは、逆に言えば無機質で機械的な音になる事があります。
シャブはこの機械的な音と人間的な音のバランスの取り方が非常にうまいとも言えますね。
重量も50g強とバランスがいいです。
したがって音も重厚過ぎず軽快過ぎずといった感じ。
とにかく良い音!って感じです。
価格的にも良心的なので、良いものを長く使いたい場合はここから始めてみてはいかがでしょうか?
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タリアカポ レビュー!
話題のタリアカポ!
派手な見た目と豊富な柄の種類が話題を呼んでいます。
ウッディーで落ち着いた柄からエキゾチックな柄まで34種類のインレイ
金属部もゴールド、クローム、ブラッククロームの3種類から選べます。
公式ホームページでは彫刻のオーダーをすることができ、ローマ字やオリジナルデザインのロゴなどを入れることもできます。
この彫刻も書体や素材など、かなり細かくオーダーできます。
まさに世界で一つだけのカポを手に入れることが出来ますね。
ルックスもさることながら、その機能性も素晴らしいものがあります。
特徴的なのが、ワンタッチで交換可能なフレットパッド。
タリアカポは最初から様々なRのパッドが付いています。
指板のRはそれぞれメーカーで異なり、カポとのRが合っていないとチューニングがずれることがあります。
特にバネ式カポはワンタッチで取り外しが出来て便利な分、細かい調整が出来ないのでチューニングのズレが顕著です。
しかしタリアカポは7種類のフレットパッドを付属しているので、殆どの指板に対応することが出来ます。
これによりチューニングのズレを最小限に抑えることができ、バネ式カポの弱点をうまくカバーしています。
実際チューナーで測ってみてもズレはほぼありませんでした。
またフレットパッドの素材も3種類あります。
(最初から付属してくるのは2種類)
まずはスタンダードラバー。
公式サイトによると、特に12弦ギターやバリトンギターに向いているそうです。
柔らかく、弦をしっかりと固定してくれるため、チョーキングしても弦がズレにくいです。
しかし一度ズレると元の位置に戻ってきにくいデメリットもあります。
もうひとつは、テフロン素材。
こちらは固く滑りやすいので、弦が動きやすいです。
ベンドしても弦が元の位置に戻ってくるので、チューニングのズレの心配が少ないですね。
しかし手が当たった時にカポがズレやすいデメリットがあります。
3つ目はハイテンションラバー。
こちらはスタンダードラバーより2mm高さがあります。
主にネックが薄いギター、12弦ギター、マンドリンやウクレレに向いているそうです。
またバズってしまう時や、もう少しテンション感が欲しい時も使えますね。
↓公式 ラバーとテフロンの解説
付属のフレッドパッドは0"for Classicals, 7.25”, 9.5”, 10”, 12”, 15”, 16"の7種類ですが、別売りで14”,20”も購入可能です。
そしてパーシャルフレットパッドも別売りしています。
ちなみに付属してきたのはスタンダードラバーとハイテンションラバーでしたが、物によってはラバーとテフロンが付属するそうです。
購入前にしっかり確認をお勧めします。
公式でも紹介していますが、使わないときはナットの上に固定しておくことが出来ます。
もちろん音は変わりますが、うまく固定すれば顕著な差はありません。
サスティンも思ったほど減衰しません。
しかしナットより上(ヘッド側)に付けると音がシャープするので、丁度真上に固定しなければなりません。
これが少しシビアなので、個人的には普通に外した方が早い気がします。
デザインの一部として、常にカポを見せておきたい場合はいいですね。
Furch(ナット45mm)では11フレットまで装着することができました。
ネックヒールの関係でここまでしか装着できませんでしたが、パッドの長さはまだ若干余裕があります。
ギターによってはもっと上まで行けそうです。
ちなみに装着の向きですが、公式では下(1弦側)から挟み込むことを推奨しているようです。
音には殆どの影響がないとのことですが、恐らく下からの方が装着しやすいのでしょう。
自分は上から派ですが、この辺は完全に好みですね。
- サウンド
音は全体的にすっきりします。
音に荒さもなく一音一音がくっきりして、各弦が聴き取りやすいです。
同時にサスティンと倍音も抑えられています。
若干無機質になる感じですね。
というのもこのカポ、90g以上とかなり重量級選手。
市販のカポではトップクラスの重さです。
重さの分、響きが抑制されている気がしますね。
低音はソリッドに出ます。腹にズンとくるような気持ちいい響きですね。
中、高音域は大人しめ。
オールラウンダーと言うよりは、ベース特化の変わり者。
こういうキャラが立っているもの、個人的に大好きです。
ハイテンションラバーの方はさらに音がすっきりします。
サスティンと倍音もさらに少なくなりますね。
ギターにもよるでしょうが、Furchにはちょっと扱いずらい。
テンション感が強すぎて音が窮屈に聴こえます。
そしてテフロンですが、素材が硬い分高音域がパリッと出ます。
レスポンスが早く、クリアで明るい独特な音色ですね。
タリアの持つ低音寄りの特性と相性が良く、低音から高音までバランスのとれたサウンドになります。
一音一音がかなりハッキリ発音されますが、その分倍音感は少ないです。
アコギらしさは薄いですがそもそもタリアはナチュラルサウンドとは方向性が違うので、ここをデメリットと捉えるかは微妙。
この独特な個性を活かせれば強力な武器になりそうです。
デメリットは、カポを外した時とのキャラクターの差が大きいことです。
良くも悪くもクセがある素材です。
- まとめ
キャラクターがしっかりある素晴らしいカポです。
ルックスの良さやカスタマイズ性があり、人と被る心配も少ないですね。
ここまで見た目にインパクトがあるカポは今までなかったので、マニア心をくすぐられます。
因みにカポによるの音質の変化ですが、
重いものほど重厚な響き、軽いものほど軽快な響きになると思います。(フレッドパッドの素材が同じ場合)
購入前に重さを知っておくと、大体の予想がつけられそうですね。
参考までに!
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17種類のサムピックをレビューしてみた!
今まで色々なサムピックを使ってきました!
100個近く購入してきましたが、その中から15種類ピックアップして紹介していきます。
- ジムダンロップ White Plastic Medium
今回基準となるサムピック!
ジムダンロップ White Plastic Mediumです。
トミーエマニュエルを始めとして、数々のソロギタリストが使っているワールドスタンダードですね。
非常に素直な音です。悪く言えば普通。
硬さや大きさも丁度良く、スタンダードになるのも頷けます。
入手の容易さも素晴らしい。
弾き語りからインストまでなんでもいけますね!
欠点としては、個体差があるという事。
物によって若干緩かったりキツかったりする事があります。
また先端部の長さもバラツキがあるので、好みのものを見つけるかヤスリで微調整する必要があります。
- ジムダンロップ Heavies Ivoroid Medium
同じくジムダンロップのサムピック。
こちらは上のサムピックより素材が固いです。(厚さは同じ)
よりパンチのあるクッキリとした音が特徴。
ホールド感も強く、演奏中にずれてくる心配が少ないですね。
ストロークよりも単音弾き向け。
弦の鳴りが強く主張してくるので、歌モノよりもインストにオススメしたいです。
欠点は上と同じく個体差がある事ですね。
またホールド感が強いので、長時間弾いていると親指が痛くなります。
それと値段も倍近くします。
- ジムダンロップ Clear D Plastic Medium
こちらもジムダンロップ!
硬さやホールド感は上のHeavies Ivoroidと同じくらいですね。
こちらはピック部分が特徴的。
多くのサムピックはロウソクの火の様にお腹が膨らんでいますが、こちらはストレートに細くなっていきます。
そのおかげか音も粒立ちがよく、クリアに出てきます。
逆に低音は少し抑えめ。
こちらも単音弾きインスト向けですね。
速弾きが多い曲ではこのサムピックを使用しています。
欠点はやはりバラツキがある事でしょうか。
- YAMAHA THUMB PICK
ヤマハのサムピック。
基本的にはジムダンロップのWhite Plastic Mediumと同じですが、ほんの少しだけ音がマイルド。
そしてバラツキが比較的少ないですね。
この辺はさすがヤマハといったところです。
また価格もジムダンロップより安いのも良心的。
スタンダードを知っておくという意味では、これかジムダンロップを買っておけば間違いありません。
しかし個体差が少ないぶん、ジムダンロップのように細かい好みを選ぶ事は出来ません。
特にホールド感は後から変えることが難しいので、この辺は一長一短ですね。
- Takamine TPW
タカミネのサムピック!
親指の腹が当たるところに、滑り止めが付いています。
演奏の安定性が増しますね。
またジムダンロップやヤマハよりも若干硬さがあり、その分音もクリアになります。
音のバランスも良好ですが、どちらかというと少し硬質な響き。
値段も非常に安いです。
個体差も少ない良サムピックだと思います。
欠点は中途半端なキャラクターですね。
ストローク、単音弾き、バランスの良さ、どれをとっても2番手感があります。
しかしケースの中に一つ入っていると謎の安心感があります。
- Takamine TPN
同じくタカミネ!
こちらは厚さが1.0mmと普通のサムピックよりも薄いです。(通常は1.5mm)
薄い分指へのフィットがソフトで、長時間弾いていても指が痛くなりません。
音の傾向は、高音域がパリっと出る明るい音ですね。
逆に低音には弱いです。
適度にしなる分、ストロークが気持ちいいです。
しかし、音の線が細くなるのでパンチのある単音弾きは弾きにくいです。
- National Pick NP-7 White
ナショナルピック!
ミディアムサイズですが、普通のサムピックのラージくらいの大きさがあります。
また先端部が非常に短いので、指で弾いている感覚に近いものがあります。
傾向としては、柔らかく温かみがある音。
先端部、サイズ感ともに個性的なので、人を選ぶサムピックだと思います。
- Fred Kelly Slick Pick Heavy
スリックピックです。
愛用者も多いのではないでしょうか?
特徴的なのはその形!
先端部が丸くなっていますね。長さも短いです。
サムピックの中では一番指で弾いている感覚に近いです。
ホールド感も十分にあるので、演奏中のズレを気にしなくて大丈夫です。
しっかりとコシがあり、低音がボンボンでます。
ミュートをしてウォーキングベースをやると、ウッドベースのような響きを出せます。
しかし高音域には弱く、前に出てくる音ではありません。
アタック感のある速弾きには向いていませんね。
個人的にはこのくらい役割がハッキリしているほうが使い道があって好きです。
- Fred Kelly Slick Pick Medium
上のピック厚さが薄くなったバージョン。
演奏性はほとんど変わりませんが、音が違います。
こちらはコシと低音が若干抑えられていますね。
基本的に主張する音ではないので、バッキングに向いていますがちょっと中途半端。
歌モノで、曲の中に指引きとストローク両方がでてくる場合には使えそうです。
- Fred Kelly Slick Pick Light
一番薄いスリックピックです。
柔らかいので指馴染みがいいです。
音の主張は殆どありませんが、バックに徹する時は重宝します。
ストロークでの歌ノリが非常に良く、弦の音が適度にまとまります。
自分も歌モノサポートの時はこれを使用することが多いです。
しかし低音やコシがなく軽い音なので、インストには使いにくいですね。
因みにスリックピックは先端が少しだけ尖っているので、ストローク用の物は完全に丸く削りとっています。
- James JSP1M
ジェームスのサムピック。
形はジムダンロップ系ですが、硬さがあります。
ジムダンロップ Heavies Ivoroidと同じくらいの硬さですね。
ホールド感もしっかりあります。
パンチのあるコシが強い音が特徴。
Heavies Ivoroidと比べても音の重心が低いです。なので高音域のパリっという音は出しにくいですね。
先端の長さは標準的。
ストロークだと入力過多になりがちなので、単音弾きに向いています。
島村系列のブランドなので、入手場所が少しだけ限定されるのが欠点ですね。
- Ibanez UL22M
今回唯一のウルテム製サムピック。
基本的にはフラットピックのウルテムの音と同じですね。
低音から高音までのバランスが良く、音色もとてもナチュラルです。
一音一音ハッキリと出ますが、自然な倍音感もあります。
表面がざらついているので滑りにくくなっている点も良いですね。
ジムダンロップに比べると若干緩めのフィット。
先端の長さも標準的ですね。
巻き弦に対して斜めにピックが入るとジャリっとノイズが出るので少しだけ気を使います。
バランス自体は良好なので、馴れればとても扱いやすいです。
- Pickboy TP-PEI M
こちらも変わった素材を使ったサムピック。
ポリエーテルイミドといって、耐熱性、耐摩擦性に優れた素材です。
パリッと出る高音域が特徴で、クリアで元気のある音です。
よく見てみると形状にも特徴があります。
横から見ると分かりますが、通常のサムピックは先端に向けて滑らかに細くなります。(厚さが薄くなっていく)
しかしこちらはエッジが落とされておらず、厚さが先端まで変わりません。
このお陰で元気のあるパワフルなサウンドが生まれるのだと思います。
フィット感はジムダンロップに比べてやや緩め。
音色、素材共に非常に個性的なサムピックですね。
デメリットとしては作りが少し粗め。
特にエッジがざらついたままだったりするので、気になるところをヤスリで落としてあげる必要があります。
- 名城商会 本べっ甲サムピック
今回ブッチギリで高価なサムピック。
2000円以上と通常の20倍ほどの値段です。
粒立ちが良く輪郭のはっきりした音が特徴です。
くっきりした音ですが、倍音をしっかりを纏った高級感のある音!
どちらかといえば高音域寄りの音ですが、低音もしっかりと出ています。
まるで生爪で弾いているかのような音で、弾いていて楽しいです。
音質は素晴らしいのですが、欠点もあります。
まずは値段ですね。サムピックにしては高すぎます。
そして個体差が激しすぎるということ。
3つ持っていますが、先端部の長さからフィット感まで全て別物のようです。
袋の中に入って売られているので、購入前に試すことも出来ません。
一種のギャンブルですね。
同じものが手に入らないというのは、消耗品であるサムピックにはかなり痛手です。
そして温まってくるとべっ甲が柔らかくなります。
ライブで30分も演奏しているとフィット感が緩くなり、しっかりホールドされなくなります。
耐久性も高くはないです。一年ほど使用した物はヒビが入ってしまいました。
ケアにも気を使わなければならないですね。
音質は最高ですが、実用性は高くないですね。
レコーディングの時だけ使って、あとは大切にしまっておくのがいいかもしれません。
- Propik Metal-Plastic Thumb Pick Medium
こちらも中々のお値段。(約750円)
上の部分が金属で出来ていて、フィット感を自在に変えることができます。
先端部は比較的短いですね。
速弾きなどをしない、スタンダードなソロギターでは使いやすいと思います。
音は優しいマイルドな音です。
コシがある方ではないですが、低音域から高音域までバランスよくでます。
デメリットは、こちらも熱によってフィット感が緩くなることですね。
特に練習前と後では、金属部の形が変わってしまうことがあるので毎回微調整しなければなりません。
そして金属部分の角が指に当たって痛い。
特にアップストロークでは爪の付け根に食い込みます。
相当シビアに調整すれば大丈夫かもしれませんが、結局熱で形が変わってしまいますね。
アイディアは面白いですが、実用性は薄いです。
- Tab Special Ⅱ Hard
巨匠、打田十紀夫さん監修のモデル。
これはよく考えられているサムピックですね。
上部がシリコンで出来ていて装着時の圧迫感がないです。しかもシリコンのお陰で滑らない。
ベルトの長さも変えられるので指の大きさを問わずに、最適なフィットに調節できます。
今回紹介するサムピックの中で、装着感はベストです。
ピック部分も適度にしなる構造になっているため、ストロークが弾きやすく、音も素晴らしいです。
普段フラットピックの人も違和感が少ないと思います。
しかしこのしなりが単音弾き、特に速弾きには少し不利。
どうしても立ち上がりが遅くなってしまうので、パンチのあるフレーズを弾きたい場合はオススメしません。
あとプラスチック部分のエッジが荒いことがあるので、ヤスリで角を落としてあげたほうがいいです。
そのままだと音がシャリつきます。
総合点の高いサムピックですね。
値段は500円前後と少し高め。
- 井草聖二さんモデル
ライブの時はこれの白を使用しています。
デザインが可愛いので笑
上二つが前回のモデル。下二つが今回新しく発売されたものです。
前回は厚さが2種類合ったのですが、今回からは1.5mmに統一されたようです。
基本的にはジムダンロップと同じですが、先端が少し短いかな?
とても絶妙な長さで弾きやすいです。
こういったデザインにも気を配ったサムピックがもっと世の中に出回って欲しいですね。
- まとめ
サムピック一つとっても色々なキャラクターがあって面白いですね。
違いはあるけど製品そのものに良し悪しはないです。
しかしそれをどう使うかで良し悪しが変わってきますね。
また歌モノ向きという表現ですが、これは基本的にストロークでの歌ノリの良さで判断しています。
昔のフォークスタイルのアルペジオでは、逆に硬い輪郭のある音が好まれたりもします。
インストでも軽快なストロークメインならある程度柔らかいサムピックの方がいい場合もあります。
この辺は鵜呑みにせず、自分のスタイルと相談してみてください。
ひとつひとつはとても安価なので、実験や比較しやすいと思います。
是非色んなサムピックを試して、好みのものを見つけてください。
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エリクサー Phosphor Bronze NanoWeb レビュー
エリクサー歴約2年になりましたが、いい所も悪い所も色々と思うところがある弦です。
一般的にも好き嫌いが激しく分れる弦の一つですね。
実際この弦はその知名度とは裏腹に、ギターを選ぶとても難しい製品だと思います。
弦はプレイスタイルやギターによって大きく表情が変わりレビューがとても難しいので、これは自分の妄想として見てもらえると幸いです。
音の傾向としては、ウェットでモダンな音。
ビンテージっぽいドライな音とは真逆の位置にあります。
また高音域に特徴的なキラキラとした音があります。
この特有のキラキラがエリクサーサウンドの大きな要素の一つだと思います。
またコーティングによるコンプ感があるので音量はまとまりやすいです。
早弾きする時は重宝しますね。
しかし天井が低いので抑揚をつける演奏の場合はコツがいります。
プレイアビリティ的には弾き語りとの相性も良さそうですが、音響的には少し扱いずらいです。
というのも張りたてのエリクサーは高音域のピークが少し変わったところにあり、特に女性ボーカルとは周波数のおいしいところが被ります。
そしてエリクサーは倍音が大きくでます。
(弦自体の音量ではなく、基音に対する倍音の大きさという意味)
一般的な弦は基音がしっかりとあって、その周りにほんのりと倍音が漂っています。
しかしエリクサーは少し毛色が違い、倍音がしっかりと主張してきます。
コーティング弦という事もあり周波数レンジが広いわけでは無いですが、基音に対する倍音の音量が大きいので豪華な響きに聞こえますね。
しかし倍音が大きくでると、音の分離が悪くなる傾向があります。
例えば倍音が少ない楽器で代表的なのがリコーダー。
素朴で単調な響きなので、重奏になっても各パートの音程を聞き取りやすいですね。
逆にシンバルは倍音が非常に多く含まれていてゴージャスな響きです。
こちらは倍音の周波数分布が広く、また特定のピークを持たないので音程を聞き取るのは難しいですね。
少し極端な例でしたが、こういう意味ではエリクサーはシンバル寄りの音とも言えます。
豪華に聞こえる分基音は相対的に引っ込みやすく、従って音の分離感という点でもあまり良くはありません。
しかしこれは長所にも短所にもなるので、絶対的な善し悪しはないです。
また個人的な経験則ですが、エリクサーは素朴な音のギターに張った方がいい結果になりやすいです。
理由はギターの元々少ない倍音をエリクサーが補ってくれて、基音と倍音のバランスが整いやすいからです。
一方ゴージャスな響きのギターにエリクサーを張ると、元々大きい倍音がさらに誇張されてしまって、ガチャガチャと混雑した音になりがちです。
低音が出るギターでは音が曇って遠くなってしまう事もあります。
もちろんセッティングや弾き方、音楽ジャンルなど様々な要因で印象は変わってきます。
素朴な音のギターに張っても、エリクサーとのキャラクターが離れすぎていると違和感が生まれる場合もあります。
そして好みの問題がとても大きいので、一概には言えない難しいところでもありますね。
個人的には、張ってから2-3日後のある程度落ち着いてからの音が扱いやすくて好きです。
張ったばかりの音は高音がキンキンしていてどうも扱いが難しいです。
しかし弦が伸びきってしまうと音がパツパツになってくるので、自分はだいたい一週間くらいで張り替えています。
長寿命を謳っていますが、これは表面の錆耐性の事を指していて、弦の芯の寿命は普通の弦とさほど変わらないようです。
張ってから3~5日後がスイートスポットですね。
ベストな音質という意味では、寿命はさほど長くないです。
と言ってもノンコーディング弦は数時間で劣化し始めるものが殆どなので、比べるとかなり長いですが。
ちなみに弦が伸びきってしまっても、なんとなく新品ぽい音を保ってくれるのがエリクサーの凄いところでもあります。
そしてプレイアビリティですが、ここは意見が綺麗に分かれますね。
ヌルッとした感触なのでスライドはしやすい反面、指がピタッと止まってくれないので違和感を覚える人もいます。
またその滑りやすさからチョーキングもしにくいです。
プリングも少しコツがいりますね。
そしてテンションは少し固めです。
しかし一旦慣れてしまうとクセになり離れられなくなる魔力がある弦でもあります。
- まとめ
音のバランスで言えば、エリクサーはオールラウンダーではありませんね。
まさに人を選ぶ弦です。
しかしその独特の音に惹かれて使用してる人も多くいます。
プレイアビリティ重視の人も沢山いると思います。
また寿命の長さからサブギター等、たまに引っ張り出して弾くギターに張ってる人もいますね。
弦交換がめんどくさいだけの人もいるでしょう。
全部正しい使い方だと思います!
エリクサーの利点は音だけではないので、メリットデメリットや妥協点をしっかりと見極めて使っていきたいですね。
余談ですが、個人的に弦選びで重要視しているのがギターのキャラクターとのバランスです。
自分のギターがどんな特性を持っていて、長所短所はなんなのかを理解した上で、弦のキャラクターと照らし合わせる感じですね。
例えば自分のメイトンはカラッと素朴な音なので、少しウェット感を足すためにエリクサーやマーチンを使用しています。
逆にウェットな音のギターにエリクサーを張ったら、ジメジメとこもった音になる可能性が高いです。
この辺は料理と同じで、甘味や辛味、酸味や苦味、さらにエグ味など様々な要素がバランスよく組み合わさった時に美味しいものができますね。
素材の味を楽しむのも1つの正解ですが、現代的なアコースティックサウンドを目指すのであれば、この辺のバランス感覚が非常に重要だと考えています。
また歌モノとインストでは求められる音の傾向が違うので、ジャンルによって使い分けも重要です。
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ソロギタリスト向け PAシステム導入のメリット
- アコギ練習用PAシステム
ソロギターの練習はPAシステムの導入をオススメします。
PAシステムと言うと何だか大掛かりな気もしますが、実は非常にシンプルに構築できます。
すでにエレアコを持っている場合、必要なものはモニタースピーカーとミキサーだけ!
ミキサーにはエフェクター搭載の物やアコギを直接入力できる物も多いので、最初はそういった物を使っても良いですね。
余裕が出てきたら、プリアンプやエフェクターを揃えてグレードアップしていくことも出来ます。
実際、自宅にPAシステムを持つことは様々なメリットがあります。
- PAシステムのメリット
まず何より練習になるという事ですね。
スピーカーから出すと音が大きくなる分、自分のミスも確認しやすくなります。
生音では確認出来ないような小さなミスも、ビックリするくらいちゃんと聞こえてしまいます。
これはかなりいい修行になりますね!
もうひとつは、レコーディングをして自分の演奏を聴ける事。
自分の演奏を客観的に聴くことは大きな成長に繋がります。
スマホでも録音はできますが、細かいニュアンスを確認したい時には少し物足りないです。
また自分に聞こえている音は生音とスピーカーの音が混ざった音ですが、お客さんにはスピーカーの音しか届いていません。
録音して聴くと、自分の出している音がお客さん目線で確認できるという利点もありますね。
そしてプリアンプやエフェクターで音作りがいつでも出来ること。
自宅でしっかりと音を決めておくと、ライブ会場での準備時間を大きく短縮できます。
リハーサルで時間的な余裕ができることは大きなメリットです。
- アコギ用アンプ?
アコギ用アンプでもいいのでは?と思うかもしれません。
しかしアンプはそれぞれ持つクセが強く、ライブで使われるスピーカーとは特性が大きく異なります。
せっかく時間をかけて音を作っても、アンプで作った音とライブでの音が違うということが起きてしまいます。
アンプを持ち込んでマイクで集音してもいいのですが、運搬性やハウリング、PAの腕による音のバラつき等いろいろな心配があります。
また鳴っているスピーカーが多いほど音は濁ります。
なるべくクリーンは音を届けたい場合は、ラインサウンドを送った方が無難ですね。
路上や小さなカフェ等で演奏する分にはいいですが、それ以外の使い道がないので個人的にはオススメしません。
- まとめ
PAシステムを組むと、楽器練習だけでなく音楽鑑賞やDTMまで幅広くこなせます。
初期投資は少しだけ嵩みますが、用途によって色々買い揃えていくより結局安く済みます。
特にライブをやるアコースティックギタリストには、是非オススメしたいですね!
↓オススメモニタースピーカー
オススメスピーカー JBL LSR305 - AcoLabo
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モニタースピーカー JBL LSR305
- JBL LSR305
スタジオモニタースピーカー、JBL LSR305の紹介です。
アンフィニカスタムワークス藤岡さんのオススメで購入しました。
主にアコギ練習用として使用しています。
ペアで三万円程度と手に入れやすい価格で、そのコストパフォーマンスの高さから藤岡さんが一押ししているスピーカーです。
実際にアンフィニのモニタールームで高級スピーカーを含めいくつか試聴しましたが、この製品は価格からは考えられない素晴らしいクオリティです。
藤岡さんも「数十万円のスピーカーと比較しても決して劣っているわけではない」とおっしゃっていました。
モニタースピーカーなので極端な味付けはありませんが、比較的元気のあるパワフルなサウンドですね。
5インチウーファーですが、サイズの割に低音もしっかりと出ます。
この価格帯ではコスパ最強ですね!
JBL ( ジェービーエル ) >LSR305 | サウンドハウス
特筆すべきはこの特殊なツイーター部分です。
これはイメージコントロールウェーブガイドと呼ばれ、スイートスポットを大きく広げる効果があります。
他メーカーの物はスイートスポットが狭く作業位置が固定されてしまう物も多いですが、LSR305は首を振ったり多少場所を移動してもバランスが崩れることがありません。
特に楽器の練習では下や横を向いたりする事が多いのでとても助かりますね。
こちらが背面。
バスレフポートは後ろについています。
インプットはフォン、キャノン両方に対応。
高音域(4.4kHz)と低音域(115Hz)、スイッチでそれぞれ±2dB変更できます。
インプット感度も+4dBと-10dBの切り替えができます。
ボリュームは0.5刻みで10まで、20段階での調節が可能です。
基本的な機能は全てついていますね。
- まとめ
コストパフォーマンス最強のスタジオモニタースピーカー!
この価格帯で現状入手できるスピーカーの中では間違いなくトップレベルの性能です。
特にスイートスポットが広いのは、ストレスフリーで演奏にも集中できるのでとても快適です。
サイズも大き過ぎず小さ過ぎずで自宅用としては文句ナシ!
また上位機種にLSR308というウーファー8インチのものがあります。
低音の再生能力は上がりますが、個人的には少し大き過ぎました。
しかし予算と設置スペース、大音量を出しても低音が回らない部屋があるならこちらも視野に入れて良いでしょう。
JBL ( ジェービーエル ) >LSR305 | サウンドハウス
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AER Dual Mix2 レビュー 1年半使用して分かったこと
- AER Dual Mix2
Tommy Emmanuelの使用で一気に火がついたドイツ製プリアンプ。
自分もDual Mix2で沢山ライブをして来ました。
この機材のこともそれなりに分かってきたので、実際の使用感などをレビューしていきます。
- サウンド
音はウェットで少しエレキギターを感じさせるサウンドです。
Tommy Emmanuelの音といえば、大体の想像はつく方も多いと思います。
実はこれ、エレキギター用のアンプがベースになっているようで、音がエレキっぽくなるのは設計上の仕様だそうです。
アコギのプリアンプで音がエレキっぽいというと、あまり良い印象を持たない方も多いと思います。
しかしDual Mixはこの音作りがうまく出来ていて、パンチがあり、かつ耳馴染みの良いサウンドに仕上がっています。
アコギの生音を再現しているかと言われれば違いますが、良い音かどうかという基準で見れば間違いなく良い音と言えます。
Tommy Emmanuelのイメージが強いので、インスト用のプリアンプとして捉えている方も多いと思います。
しかし実は弾き語りとも相性が良く、歌ノリが非常に良いです。
実際PAの現場で貸し出すことも多いのですが、アーティストの方からも歌いやすいと好評です。
サウンドに関してのデメリットですが、プリアンプ自体の支配力が強いことですね。
つまりどんなギターを繋いでもDual Mixの音になりやすいです。
ギターの生音をできるだけ再現したい方や、音に個性を持っている方、音を作りこんでいきたい方にはオススメしにくい商品でもあります。
- スペック
インプット
2チャンネル、どちらもフォンとキャノンに対応しています。
これ一台で弾き語りやインストデュオなども対応できますね。
アウトプット
バランス、アンバランスアウトができます。
DIアウトは1,2チャンネルがミックスされた音
LINEアウトはそれぞれを個別に出せます。個別に出力した場合はエフェクトはかけられません。
因みにラインアウトを片方だけ使った場合は1,2チャンネルがミックスされた音が出ます。
フットスイッチを繋げばミュートをすることもできます。
ゲインコントロール
1,2チャンネル個別に調整可能です。
クリップした場合は右上の赤いインジケータが光ります。
これのおかげでゲイン調整が楽に行えます。
右下にあるAttn.ボタンはPADですね。
これでライン出力のような大きい信号も接続することができます。
EQコントロール
ハイとローの2バンドEQですね。
このくらいサッパリしているとステージ上での迷いが少なくて済みます。
音が抜けなかったらハイを、迫力が足りなかったらローを上げる。非常にシンプルで使いやすいです。
このEQも上手く出来ていて、上げすぎても嫌味になりにくいです。
特にボーカルで使用した時にハイを上げるとシルクのように滑らかに音が抜けてきます。
エフェクト
リバーブ二種類、ディレイ、コーラスが使えます。
主にリバーブを使用していましたが、これがとても気持ちがいい。
外付けで色々なリバーブを試してきましたが、内蔵エフェクトの完成度がとても高いので結局Dual Mixのリバーブを使っています。
またパン振りも出来ます。
例えば弾き語りで声とギターのリバーブ量、デュアルシステムでそれぞれのPUのリバーブ量を個別に調整することができます。
デメリットは細かい調整が出来ないことですね。
特にディレイはディレイタイムが固定なので使い勝手が悪いです。
ハイパスフィルター
個人的にはかなりの頻度で使う機能。
ここでローカットをする事が出来ます。
低音が回ってしまう時やアンサンブルで低音楽器がいる時に重宝しますね。
また周波数も調整できるので様々な状況に対応できます。
特に色々な場所で演奏する方やアンサンブルでやる方には欠かせないのではないでしょうか。
ファンタム電源
1,2チャンネル個別にファンタム電源を送ることができます。
これでコンデンサーマイクも使うことができます。
電源アダプター
手前が純正のアダプター、奥が秋月電子のACアダプターです。
純正のものも悪くはないですが、秋月電子の物は音にさらにパンチが出て低音の再現率も上がります。
それと純正のものは断線しやすいです。
少しかさばりますが、音質と耐久性を気にされる方は秋月電子の方をオススメします。
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- まとめ
超現場至上主義のプリアンプ!
音を作りこみたい方にはオススメできませんが、手っ取り早く良い音を出したい時にはかなり使えます。
リハーサルの時間が取れないライブでも対応できるのでかなり重宝しています。
今ではR-ZEROという高級プリアンプをメインで使っていますが、Dual Mixの便利さは未だに手放せません。
またメイトンのプリアンプAP5Proとの相性は抜群で、Tommy Emmanuelの音がそのままスピーカーから出てきます。
弾き語りからインストまで対応できる素晴らしい製品ですね。
幅広い音楽に対応できるプリアンプなので、特有のエレキっぽさが気にならない人には是非オススメしたいプリアンプです。
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