17種類のサムピックをレビューしてみた!
今まで色々なサムピックを使ってきました!
100個近く購入してきましたが、その中から15種類ピックアップして紹介していきます。
- ジムダンロップ White Plastic Medium
今回基準となるサムピック!
ジムダンロップ White Plastic Mediumです。
トミーエマニュエルを始めとして、数々のソロギタリストが使っているワールドスタンダードですね。
非常に素直な音です。悪く言えば普通。
硬さや大きさも丁度良く、スタンダードになるのも頷けます。
入手の容易さも素晴らしい。
弾き語りからインストまでなんでもいけますね!
欠点としては、個体差があるという事。
物によって若干緩かったりキツかったりする事があります。
また先端部の長さもバラツキがあるので、好みのものを見つけるかヤスリで微調整する必要があります。
- ジムダンロップ Heavies Ivoroid Medium
同じくジムダンロップのサムピック。
こちらは上のサムピックより素材が固いです。(厚さは同じ)
よりパンチのあるクッキリとした音が特徴。
ホールド感も強く、演奏中にずれてくる心配が少ないですね。
ストロークよりも単音弾き向け。
弦の鳴りが強く主張してくるので、歌モノよりもインストにオススメしたいです。
欠点は上と同じく個体差がある事ですね。
またホールド感が強いので、長時間弾いていると親指が痛くなります。
それと値段も倍近くします。
- ジムダンロップ Clear D Plastic Medium
こちらもジムダンロップ!
硬さやホールド感は上のHeavies Ivoroidと同じくらいですね。
こちらはピック部分が特徴的。
多くのサムピックはロウソクの火の様にお腹が膨らんでいますが、こちらはストレートに細くなっていきます。
そのおかげか音も粒立ちがよく、クリアに出てきます。
逆に低音は少し抑えめ。
こちらも単音弾きインスト向けですね。
速弾きが多い曲ではこのサムピックを使用しています。
欠点はやはりバラツキがある事でしょうか。
- YAMAHA THUMB PICK
ヤマハのサムピック。
基本的にはジムダンロップのWhite Plastic Mediumと同じですが、ほんの少しだけ音がマイルド。
そしてバラツキが比較的少ないですね。
この辺はさすがヤマハといったところです。
また価格もジムダンロップより安いのも良心的。
スタンダードを知っておくという意味では、これかジムダンロップを買っておけば間違いありません。
しかし個体差が少ないぶん、ジムダンロップのように細かい好みを選ぶ事は出来ません。
特にホールド感は後から変えることが難しいので、この辺は一長一短ですね。
- Takamine TPW
タカミネのサムピック!
親指の腹が当たるところに、滑り止めが付いています。
演奏の安定性が増しますね。
またジムダンロップやヤマハよりも若干硬さがあり、その分音もクリアになります。
音のバランスも良好ですが、どちらかというと少し硬質な響き。
値段も非常に安いです。
個体差も少ない良サムピックだと思います。
欠点は中途半端なキャラクターですね。
ストローク、単音弾き、バランスの良さ、どれをとっても2番手感があります。
しかしケースの中に一つ入っていると謎の安心感があります。
- Takamine TPN
同じくタカミネ!
こちらは厚さが1.0mmと普通のサムピックよりも薄いです。(通常は1.5mm)
薄い分指へのフィットがソフトで、長時間弾いていても指が痛くなりません。
音の傾向は、高音域がパリっと出る明るい音ですね。
逆に低音には弱いです。
適度にしなる分、ストロークが気持ちいいです。
しかし、音の線が細くなるのでパンチのある単音弾きは弾きにくいです。
- National Pick NP-7 White
ナショナルピック!
ミディアムサイズですが、普通のサムピックのラージくらいの大きさがあります。
また先端部が非常に短いので、指で弾いている感覚に近いものがあります。
傾向としては、柔らかく温かみがある音。
先端部、サイズ感ともに個性的なので、人を選ぶサムピックだと思います。
- Fred Kelly Slick Pick Heavy
スリックピックです。
愛用者も多いのではないでしょうか?
特徴的なのはその形!
先端部が丸くなっていますね。長さも短いです。
サムピックの中では一番指で弾いている感覚に近いです。
ホールド感も十分にあるので、演奏中のズレを気にしなくて大丈夫です。
しっかりとコシがあり、低音がボンボンでます。
ミュートをしてウォーキングベースをやると、ウッドベースのような響きを出せます。
しかし高音域には弱く、前に出てくる音ではありません。
アタック感のある速弾きには向いていませんね。
個人的にはこのくらい役割がハッキリしているほうが使い道があって好きです。
- Fred Kelly Slick Pick Medium
上のピック厚さが薄くなったバージョン。
演奏性はほとんど変わりませんが、音が違います。
こちらはコシと低音が若干抑えられていますね。
基本的に主張する音ではないので、バッキングに向いていますがちょっと中途半端。
歌モノで、曲の中に指引きとストローク両方がでてくる場合には使えそうです。
- Fred Kelly Slick Pick Light
一番薄いスリックピックです。
柔らかいので指馴染みがいいです。
音の主張は殆どありませんが、バックに徹する時は重宝します。
ストロークでの歌ノリが非常に良く、弦の音が適度にまとまります。
自分も歌モノサポートの時はこれを使用することが多いです。
しかし低音やコシがなく軽い音なので、インストには使いにくいですね。
因みにスリックピックは先端が少しだけ尖っているので、ストローク用の物は完全に丸く削りとっています。
- James JSP1M
ジェームスのサムピック。
形はジムダンロップ系ですが、硬さがあります。
ジムダンロップ Heavies Ivoroidと同じくらいの硬さですね。
ホールド感もしっかりあります。
パンチのあるコシが強い音が特徴。
Heavies Ivoroidと比べても音の重心が低いです。なので高音域のパリっという音は出しにくいですね。
先端の長さは標準的。
ストロークだと入力過多になりがちなので、単音弾きに向いています。
島村系列のブランドなので、入手場所が少しだけ限定されるのが欠点ですね。
- Ibanez UL22M
今回唯一のウルテム製サムピック。
基本的にはフラットピックのウルテムの音と同じですね。
低音から高音までのバランスが良く、音色もとてもナチュラルです。
一音一音ハッキリと出ますが、自然な倍音感もあります。
表面がざらついているので滑りにくくなっている点も良いですね。
ジムダンロップに比べると若干緩めのフィット。
先端の長さも標準的ですね。
巻き弦に対して斜めにピックが入るとジャリっとノイズが出るので少しだけ気を使います。
バランス自体は良好なので、馴れればとても扱いやすいです。
- Pickboy TP-PEI M
こちらも変わった素材を使ったサムピック。
ポリエーテルイミドといって、耐熱性、耐摩擦性に優れた素材です。
パリッと出る高音域が特徴で、クリアで元気のある音です。
よく見てみると形状にも特徴があります。
横から見ると分かりますが、通常のサムピックは先端に向けて滑らかに細くなります。(厚さが薄くなっていく)
しかしこちらはエッジが落とされておらず、厚さが先端まで変わりません。
このお陰で元気のあるパワフルなサウンドが生まれるのだと思います。
フィット感はジムダンロップに比べてやや緩め。
音色、素材共に非常に個性的なサムピックですね。
デメリットとしては作りが少し粗め。
特にエッジがざらついたままだったりするので、気になるところをヤスリで落としてあげる必要があります。
- 名城商会 本べっ甲サムピック
今回ブッチギリで高価なサムピック。
2000円以上と通常の20倍ほどの値段です。
粒立ちが良く輪郭のはっきりした音が特徴です。
くっきりした音ですが、倍音をしっかりを纏った高級感のある音!
どちらかといえば高音域寄りの音ですが、低音もしっかりと出ています。
まるで生爪で弾いているかのような音で、弾いていて楽しいです。
音質は素晴らしいのですが、欠点もあります。
まずは値段ですね。サムピックにしては高すぎます。
そして個体差が激しすぎるということ。
3つ持っていますが、先端部の長さからフィット感まで全て別物のようです。
袋の中に入って売られているので、購入前に試すことも出来ません。
一種のギャンブルですね。
同じものが手に入らないというのは、消耗品であるサムピックにはかなり痛手です。
そして温まってくるとべっ甲が柔らかくなります。
ライブで30分も演奏しているとフィット感が緩くなり、しっかりホールドされなくなります。
耐久性も高くはないです。一年ほど使用した物はヒビが入ってしまいました。
ケアにも気を使わなければならないですね。
音質は最高ですが、実用性は高くないですね。
レコーディングの時だけ使って、あとは大切にしまっておくのがいいかもしれません。
- Propik Metal-Plastic Thumb Pick Medium
こちらも中々のお値段。(約750円)
上の部分が金属で出来ていて、フィット感を自在に変えることができます。
先端部は比較的短いですね。
速弾きなどをしない、スタンダードなソロギターでは使いやすいと思います。
音は優しいマイルドな音です。
コシがある方ではないですが、低音域から高音域までバランスよくでます。
デメリットは、こちらも熱によってフィット感が緩くなることですね。
特に練習前と後では、金属部の形が変わってしまうことがあるので毎回微調整しなければなりません。
そして金属部分の角が指に当たって痛い。
特にアップストロークでは爪の付け根に食い込みます。
相当シビアに調整すれば大丈夫かもしれませんが、結局熱で形が変わってしまいますね。
アイディアは面白いですが、実用性は薄いです。
- Tab Special Ⅱ Hard
巨匠、打田十紀夫さん監修のモデル。
これはよく考えられているサムピックですね。
上部がシリコンで出来ていて装着時の圧迫感がないです。しかもシリコンのお陰で滑らない。
ベルトの長さも変えられるので指の大きさを問わずに、最適なフィットに調節できます。
今回紹介するサムピックの中で、装着感はベストです。
ピック部分も適度にしなる構造になっているため、ストロークが弾きやすく、音も素晴らしいです。
普段フラットピックの人も違和感が少ないと思います。
しかしこのしなりが単音弾き、特に速弾きには少し不利。
どうしても立ち上がりが遅くなってしまうので、パンチのあるフレーズを弾きたい場合はオススメしません。
あとプラスチック部分のエッジが荒いことがあるので、ヤスリで角を落としてあげたほうがいいです。
そのままだと音がシャリつきます。
総合点の高いサムピックですね。
値段は500円前後と少し高め。
- 井草聖二さんモデル
ライブの時はこれの白を使用しています。
デザインが可愛いので笑
上二つが前回のモデル。下二つが今回新しく発売されたものです。
前回は厚さが2種類合ったのですが、今回からは1.5mmに統一されたようです。
基本的にはジムダンロップと同じですが、先端が少し短いかな?
とても絶妙な長さで弾きやすいです。
こういったデザインにも気を配ったサムピックがもっと世の中に出回って欲しいですね。
- まとめ
サムピック一つとっても色々なキャラクターがあって面白いですね。
違いはあるけど製品そのものに良し悪しはないです。
しかしそれをどう使うかで良し悪しが変わってきますね。
また歌モノ向きという表現ですが、これは基本的にストロークでの歌ノリの良さで判断しています。
昔のフォークスタイルのアルペジオでは、逆に硬い輪郭のある音が好まれたりもします。
インストでも軽快なストロークメインならある程度柔らかいサムピックの方がいい場合もあります。
この辺は鵜呑みにせず、自分のスタイルと相談してみてください。
ひとつひとつはとても安価なので、実験や比較しやすいと思います。
是非色んなサムピックを試して、好みのものを見つけてください。
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