AER Dual Mix2 レビュー 1年半使用して分かったこと

  • AER Dual Mix2

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 Tommy Emmanuelの使用で一気に火がついたドイツ製プリアンプ。

自分もDual Mix2で沢山ライブをして来ました。

この機材のこともそれなりに分かってきたので、実際の使用感などをレビューしていきます。

 

  • サウンド

音はウェットで少しエレキギターを感じさせるサウンドです。

Tommy Emmanuelの音といえば、大体の想像はつく方も多いと思います。

実はこれ、エレキギター用のアンプがベースになっているようで、音がエレキっぽくなるのは設計上の仕様だそうです。

 

アコギのプリアンプで音がエレキっぽいというと、あまり良い印象を持たない方も多いと思います。

しかしDual Mixはこの音作りがうまく出来ていて、パンチがあり、かつ耳馴染みの良いサウンドに仕上がっています。

アコギの生音を再現しているかと言われれば違いますが、良い音かどうかという基準で見れば間違いなく良い音と言えます。

 

Tommy Emmanuelのイメージが強いので、インスト用のプリアンプとして捉えている方も多いと思います。

しかし実は弾き語りとも相性が良く、歌ノリが非常に良いです。

実際PAの現場で貸し出すことも多いのですが、アーティストの方からも歌いやすいと好評です。

 

サウンドに関してのデメリットですが、プリアンプ自体の支配力が強いことですね。

つまりどんなギターを繋いでもDual Mixの音になりやすいです。

ギターの生音をできるだけ再現したい方や、音に個性を持っている方、音を作りこんでいきたい方にはオススメしにくい商品でもあります。

 

  • スペック

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インプット

2チャンネル、どちらもフォンとキャノンに対応しています。

これ一台で弾き語りやインストデュオなども対応できますね。

 

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アウトプット

バランス、アンバランスアウトができます。

DIアウトは1,2チャンネルがミックスされた音

LINEアウトはそれぞれを個別に出せます。個別に出力した場合はエフェクトはかけられません。

因みにラインアウトを片方だけ使った場合は1,2チャンネルがミックスされた音が出ます。

 フットスイッチを繋げばミュートをすることもできます。

 

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ゲインコントロール

1,2チャンネル個別に調整可能です。

クリップした場合は右上の赤いインジケータが光ります。

これのおかげでゲイン調整が楽に行えます。

右下にあるAttn.ボタンはPADですね。

これでライン出力のような大きい信号も接続することができます。 

 

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EQコントロール

ハイとローの2バンドEQですね。

このくらいサッパリしているとステージ上での迷いが少なくて済みます。

 音が抜けなかったらハイを、迫力が足りなかったらローを上げる。非常にシンプルで使いやすいです。

このEQも上手く出来ていて、上げすぎても嫌味になりにくいです。

特にボーカルで使用した時にハイを上げるとシルクのように滑らかに音が抜けてきます。

 

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エフェクト

 リバーブ二種類、ディレイ、コーラスが使えます。

主にリバーブを使用していましたが、これがとても気持ちがいい。

外付けで色々なリバーブを試してきましたが、内蔵エフェクトの完成度がとても高いので結局Dual Mixのリバーブを使っています。

またパン振りも出来ます。

例えば弾き語りで声とギターのリバーブ量、デュアルシステムでそれぞれのPUのリバーブ量を個別に調整することができます。

 

デメリットは細かい調整が出来ないことですね。

特にディレイはディレイタイムが固定なので使い勝手が悪いです。

 

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ハイパスフィルター

個人的にはかなりの頻度で使う機能。

ここでローカットをする事が出来ます。

低音が回ってしまう時やアンサンブルで低音楽器がいる時に重宝しますね。

また周波数も調整できるので様々な状況に対応できます。

特に色々な場所で演奏する方やアンサンブルでやる方には欠かせないのではないでしょうか。

 

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ファンタム電源

1,2チャンネル個別にファンタム電源を送ることができます。

 これでコンデンサーマイクも使うことができます。

 

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電源アダプター

手前が純正のアダプター、奥が秋月電子のACアダプターです。 

純正のものも悪くはないですが、秋月電子の物は音にさらにパンチが出て低音の再現率も上がります。

それと純正のものは断線しやすいです。

少しかさばりますが、音質と耐久性を気にされる方は秋月電子の方をオススメします。

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  • まとめ

超現場至上主義のプリアンプ!

音を作りこみたい方にはオススメできませんが、手っ取り早く良い音を出したい時にはかなり使えます。

リハーサルの時間が取れないライブでも対応できるのでかなり重宝しています。

今ではR-ZEROという高級プリアンプをメインで使っていますが、Dual Mixの便利さは未だに手放せません。

またメイトンのプリアンプAP5Proとの相性は抜群で、Tommy Emmanuelの音がそのままスピーカーから出てきます。

 

弾き語りからインストまで対応できる素晴らしい製品ですね。

幅広い音楽に対応できるプリアンプなので、特有のエレキっぽさが気にならない人には是非オススメしたいプリアンプです。

 

 

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