A=432Hzって結局どうなの?って話
超マニアック、長文回。
調律の問題は紆余曲折して今があるのでどうしても短くまとめられませんでしたが、興味がある方は是非。
さて、A=432hzはDNA修復効果とか陰謀論、第3の目が開眼する(笑)など様々な説が飛び交っていますが、一体どうなんでしょう?
個人的な意見
結論から言うとA=432hzは特別でもなんでもありません。
そもそもA=440hzになったのは、歴史や数学、ボーカリストのピッチや地理的な問題など、様々な理由があります。
Jacob CollierのHideaway※1のように
最初はA=432hz、後半は440hzにして
相対的に華やかさを演出するという使い方はあるのですが、この人はちょっとハイレベル過ぎる。
したがって根本的なことを理解せずに432hzを使うのはオススメしません。
ということで、その理由なんかを書いていきます。
432は数学的にキレイ?
432はハミング数※2と呼ばれる数字で、数学的には比較的キレイです。
音楽も物理的な現象なので数字が綺麗だと音も整う、と思いがちですが実はちょっと違います。
そもそもhz(ヘルツ)とは1秒間の振動数を表しています。
432hzなら432回/秒で空気が振動しているということですね。
じゃあ1秒の基準とはいったい何でしょう?
Wikipediaによると
秒は、セシウム 133 の原子の基底状態の二つの超微細構造準位の間の遷移に対応する放射の周期の9192631770倍の継続時間である.[9]
— 第13回国際度量衡総会決議1、1967/68年、Brochure sur le SI (8e édition)
つまりセシウムが電磁波を約91億回出したら1秒だよってことですね。
じゃあこの数字を432で割ってみると
9,192,631,770 ÷ 432 = 21,279,240.20833333
うーん、綺麗な数字とは言えませんね。
つまり432は数字単体としては綺麗だけど、ヘルツで考えると特別な数字ではなさそうです。
でもやっぱり数字がキレイだよ?
↑こういうやつですね。
左が440、右が432です。
確かに432hzの方が綺麗に見えます。
しかしこれは440hzの方は平均律、432hzの方はピタゴラス音律が使われています。
現在広く使われている平均律ではどんなチューニングでも綺麗な数字にはならないんですね。※3
じゃあピタゴラス音律を使えばいいじゃない?という声も聞こえてきそうですが、そうもいきません。
というのもピタゴラス音律はその性質ゆえに、音が高くなるにつれてどんどんシャープしていくんですね。
そうなると音同士の比率がどんどん汚くなっていきます。
そもそも綺麗なハーモニーに必要なのは数字その物の美しさではなくて、それぞれの数字の比率の美しさなんですね。
現在ピタゴラス音律が使われていない理由もここにあります。
Jacob Collierが提唱しているスーパーウルトラハイパーメガメタリディアンスケール※4の考え方にピタゴラス音律を使うのはありかも知れませんが、これはDTMでしか実現できなさそう。
432hzは生命の周波数?
心臓の鼓動や脳波、地球の電磁波等は432hzと関係があると言ったものですね。
ググればたくさん情報が出てきますが、どうやらぴったり432になる物は皆無な模様。
というか心臓や脳波は状況によって大きく変動するし個人差も大きいので、432hzが良いという証拠にはならないでしょう。
変動しないと言われるシューマンレゾナンス(地球が出す電磁波)は7.83hz。
この数値で平均律を元にScientific Pitchを求めてもA=430.4hzなので、やはり432hzとは一致しませんね。
じゃあなんでA=440hzなの?
ということでチューニングの歴史を簡単に紹介します。
現在、国際基準になっているのがA=440hz、オーケストラ等は442hz、楽団によってはもっと高いピッチの所もあるようですね。
ただピッチに基準値ができたのは歴史的には最近のことで、昔は国や文化によってバラバラだったんですな。
まず1711年、John Shoreが最初のチューナーを開発。いわゆる音叉ですな。
この頃は大体A=400~420hzで設定されていたようです。
基本的にピッチは高いと華やかで豪華に聴こえます。
これに味を占めた世界中の楽団が、他のオーケストラより目立とうと基準値をあげていき、ピッチのインフレーションが起こります。
一時期、ロンドンのオーケストラはA=455hzで演奏していたこともあったそうな。
しかしここで問題が発生。
ピッチを上げるほどボーカルにハイトーンが求められるようになり、負担がかかっていったんですな。
楽器はチューニングでどうにでもなりますが、歌だけはどうしようもない。
これはどっかで歯止めを利かせないと、ということで1859年、フランスがA=435hzを基準に設定したわけです。
しかし当時のイタリア音楽にこの値は少し高すぎたみたいで、音楽家ヴェルディはA=432hzに、そしてイギリス音楽には低すぎるということでA=439hzにそれぞれ設定しました。
実はこれには気候的な問題が関係しています。
というのも基本的には気温が高いほど音も高く、気温が低いほど音も低くなるんですね。
あくまでフランスで聴くA=435hzに聴覚上の帳尻を合わせようとした結果そうなったわけです。
しかし当時のイギリスの研究者たちは439(素数)だと、計算がめんどくさいとクレーム。
じゃあ計算しやすい440で、ってことでようやくお馴染みの数字が出てきます。
1926年、政治的な繋がりもありイギリスがこの基準値をアメリカに持ち込むことになります。
そしてアメリカでA=440hz用に設計された楽器が世界中に輸出されることで、この値が国際的にメジャーになりました。
ようやく1955年、歴史的な背景も相まってA=440hzが国際基準として正式に決定したんですな。
まとめると、
最初は皆好き勝手やってたけど統一した方が楽じゃね?って流れからその基準値をどうするかでちょい揉め。
でも気候とかでピッチ変わっちゃうから考えても仕方が無いよね、ってことで当時マジョリティだった値が国際基準に。それが偶然440hzだっただけの話ですな。
じゃあ432hzってダメなの?
歴史的にも使われた時代があるくらいなので、ダメってことはありません。
むしろボーカリストは普段の歌が少し歌いやすくなるんではないでしょうか?
まあ好きなら使えばいいけどネットで言われているような効果は期待しない方がいいよってのが結論ですね。
ただデメリットが多いのは確かです。
例えば
- A=440hzと比べて暗く聞こえるのでインパクトが薄れる。
- 人によってはズレて聴こえる。
- 気軽にセッションすることが出来ない。
- A=440hzでよく響くように設計されている楽器は本領を発揮できない。
等でしょうか。
また440hz以上にするのも歴史を繰り返すことになるので考えものですね。
たまに遊びでチューニングを変えるのは良いですが、特別な理由がなければ440hzを基準に考えるのが現実的でしょうな。
そういった意味ではJacob Collierはピッチを上手く操っているので、彼の楽曲※5を分析してみるのも面白いですね。
最後に、A=432hzを否定している訳ではありません。
その音が好きならバンバン使えばいいと思います。
ただ結局気温によって音程は上下するので、盲信的に432hzを信じるのはどうかなと。
それでは。
パワーコードって実はメジャーコードでは?って話
ロックギタリストにはお馴染みのパワーコード。
一般的にはメジャーもマイナーも無いと言われていますね。
でも実際鳴らしてみるとすこーし明るく聴こえる、なんて感じる人もいると思います。
今回はその理由を軽く紹介していきます。
パワーコードはメジャーな響きなの?
極論を言うとYes。
少し理論的な話をしますと、パワーコードはルートと完全五度の2つの音だけで構成されています。
メジャー(明るい)かマイナー(暗い)を決めるのは3度の音ですが、パワーコードにはこの音が入っていないんですな。
故にどっちつかずの中性的なコード、という便利な性質があるのです。
じゃあメジャーの響きではないんじゃ?
理論的にはそうなんですが、倍音の事まで考えると少し話は変わってきます。
というのもパワーコードの倍音の中には長3度(メジャーコードの構成音)が含まれているんですな。
例えばCのパワーコードだと、実音はCとGだけにも関わらず倍音にはEの音が潜んでいます。(他にも何種類か含まれていますがここでは割愛)
従ってすこーしだけ明るく聴こえるって訳です。
特にアコギや歪ませたギターなど倍音の多い楽器はこの傾向を感じやすいのかも知れませんね。
マイナーコードにパワーコードは使えないの?
そんなことはありません。
もちろんマイナーの時にもパワーコードは使えます。
あくまでほんの少しだけ明るい響きが足されているよっていう話で、中性的な性質が崩れているわけではありません。
音楽理論というよりは雑学的な話なので、面白半分で捉えて頂ければ。
それでは。
Jazzy Happy Birthday Tab
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35小節目 E♭dim/D → E♭dim
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G7th Heritage Capo レビュー
現在の自分のメインカポ、G7thフラグシップモデルのHeritage Capo
日本でもようやく取り扱い店舗が出てきましたね。
最近になってこの様な形状のカポを販売するメーカーが増えてきている印象ですが、アイディア的には昔からあるものです。
ヤマハの真鍮製の物などは古くからの定番ですね。
この形状のカポの大きなメリットは、なんといってもチューニングが狂いにくいことです。
構造上1〜6弦まで均等に力がかかるため、弦が一方に引っ張られたりすることがありません。
またスクリューで弦にかける圧力を微調整できる点も、チューニングの安定に一役かっています。
チューニングにシビアなソロギタリストも、このタイプのカポを使用する方が増えてきましたね。
Heritage Capoの1番の特徴はA.R.T.(Adaptive Radius Technology)という機能。
これは弦に触れるラバー部分が、ギターの指板に合わせてフレキシブルに変化するというもの。
というのも、指板のR(フレットアーチ)とカポのRが合っていないと微妙にチューニングが狂ってしまいます。
タリアカポの様に様々なRのラバーが付属しているカポもありますが、ギターを何本も使う方には荷物になってしまいます。
これはそんな煩わしさの解決策として出された革新的なアイディアですね。
最初はラバー自体が柔らかくてRが変化するのかなと思っていたのですが、どうやらそうではないようです。
ラバーの硬さはしっかりと保ちつつ、R自体が変化します。
文章だととても説明が難しいですが、どうやらカポ上部(ラバーの上)に特殊な構造がありそうです。
この辺は実際に触って確かめてみてください!
Heritage(遺産)というネーミングにも関わらず、この様なハイテクな機能を搭載していて、とても粋なものを感じますね。
側面にはネック保護用のラバー。
カポを不意にネックにぶつけても傷をつけることがありません。
音質だけでなく、この様な物理的な配慮もとても大切ですね。
また基本的なことですが、とても丁寧な処理で好感が持てます。
A.R.T.とは対照的に、留め具はとてもシンプルな構造。
Shubb FineTune Capoのようにバネがついているわけではないので、ワンタッチでとめる事は出来ませんが、必要最低限という感じでここも一貫してミニマルなデザインですね。
そもそもこのタイプのカポは着脱のしやすさでは一歩劣るので、ここは大きなデメリットではないでしょう。
ちなみに閉めるとこんな感じ。
余計な機能がない分、洗礼されたデザインになります。
スクリュー下部にはG7thのロゴ。
全体的にはミニマルなデザインですが、この客席からは見えないさりげないワンポイントもオシャレですね。
専用の革ケース。
黒で統一されていて、中央にロゴが押印されています。
また適度な硬さがあり、しっかりとカポを保護してくれます。
作りもしっかりしていて裁縫も雑なところがなく、かなり好印象です。
このような付属品もしっかり作り込んであると、このカポに対する自信とプライドの様なものを感じます。
開けるとこんな感じ。
内部にはポケットが二つあり、カポ以外にもピックなど薄いものなら収納できそうです。
カポは奥のポケットに収納できます。
手前のポケット。
ピックを収納するのには丁度いいサイズ感ですね。
実際につけてみるとこんな感じ。
遠目で見ると、フレットの銀色と同化してカポの存在を感じさせません。
シンプルですが洗礼されたデザインで、気品の様なものを感じます。
- サウンド
G7th HeritageとShubb F1の比較
— 和水 真 (@123_4n) 2018年6月1日
※ヘッドホン推奨
リバーブやEQなど補正無し
Mic : Apogee Mic Plus
Guitar : Furch G23SGCT
Strings : Richard Cocco pic.twitter.com/Paq56PfN7u
上記にもあるように、チューニングの狂いはほぼ無いです。
カポの中ではトップクラスですね。
G7thはラバーに拘りがあるようで、指で押さえた時の音との差をなるべく少なくしているようです。
実際に弾いてみると納得できる部分もありますが、やはりG7thらしさもしっかりとありますね。
個人的にはこのカポは音がクッキリと出て、ほどよい迫力があるサウンドに思えます。
またストロークなどの強い入力にも音が暴れることなくしっかりと耐えてくれるので、オールラウンドに使えそうです。
重量もちょうどいいですね。
軽すぎることによる迫力不足や、重すぎることによる空気感の損失が少ないので非常に扱いやすいです。
一言で言うのであれば、優等生キャラ。
なんでも高いレベルで仕事をこなしますが、Shubbカポのようなサウンド的な遊び(悪く言うと雑な音)が若干少ない様に思えます。
あえて遊びの多いギターや弦と組み合わせるとバチっと決まることがあるので、この辺が面白いところでもありますね。
値段は張りますが、良質なカポを探している人にはオススメできる商品です。
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リチャードココ アコギ弦 レビュー
イタリアのハンドメイド弦ブランド、Richard Coccoの弦です。
多くの弦ブランドは巻き弦を機械で巻いていますが、ここは今でも職人が手巻きをしている珍しいブランドです。
自分の愛用ギターFurch SGCT23Gに、現状一番相性がいいようなのでレビューしていきます。
ゲージは
12.16.24.32.42.52
と6弦が通常より細くなっています。
このセットはソロギター等メロディラインを重視するプレイヤーに好まれます。
しかし低音が不足しているわけではなく、バランスは良好な方ですね。
テンション感は柔らかく、チョーキングがとてもしやすいです。
長時間弾いても腕が疲れることがないので、常にギターを足の上に乗せておきたい自分にとっては非常に嬉しいポイントでもあります。
パッケージは一つ一つ真空パックに入っています。
少し長く放置していても錆びにくいので、非常に好感触。
弦を張ってからの劣化は緩やかなカーブを描くように落ちていくので、あるポイントでガクッとダメになるような事はありません。
これはライブでは大きなメリットで、弾き始めと終わりでのキャラクター差が最小限で済みます。
ちなみに毎日弾くと、約一週間で完全にデッドな音になります。
一見普通のノンコーティング弦とほぼ同じ寿命ですが、張りたての音はかなり維持してくれます。(維持してくれている様に感じる)
通常ノンコーティング弦は、数十分〜1,2時間程度で曇り始めます。
汗などが付着し表面が錆びたり、金属疲労で弦が伸びたりして高音域が減衰するのですね。
ほとんどの弦はこの段階で音質がガクッと落ちます。
しかしこの点においてリチャードココはとても優れています。
劣化スピードのカーブがとても緩やかなので、耳で感じ取れるほどの落差にならないのですね。
多くのノンコーディング弦は弾いてる最中に劣化を感じることがありますが、このブランドにはそれがほとんどありません。
弦の色は80/20ブロンズ弦のように黄色味がかっています。
公式では何の素材を使われているかは明記されていませんが、音のキャラクター的には見た目通り80/20ブロンズに近いです。
ボールエンドの処理が非常に丁寧です。
ここは手巻きならではの職人魂を感じます。
巻線のエンド部がはみ出ている弦をよく見ますが、リチャードココにはそれが全くありません。
ここの処理が綺麗だとブリッジへの収まりが良いのでとても気持ちいいです。
またこの部分は弦の振動をボディに伝える大事な部分なので、ここが綺麗なブランドにはとても好感を覚えます。
- サウンド
粘り気のある落ち着いたサウンド。
ウォームな音で、音のまとまりが非常にいいです。
逆に言えば各弦の分離感は少し薄め。
レンジが広いわけではなく、中音域に旨味が集中しています。
こうしてみると特性的に大きく優れているわけではないですが、この弦の凄いところはその色気。
特にプレーン弦の粘り気は非常に気持ちがよく、人の声の様な艶かしさもあるので歌うようなフレーズが弾きやすいです。
また6弦が52と通常より細くなっていますが、低音はきちんと出ます。
しかし太い弦のようなソリッドなガツンとした低音ではなく、ボワっと広がる温かみのある音ですね。
弦のキャラクターとしても全体的にソリッドな音ではなく、プレーン弦は粘り気があり、低音弦はふくよかな音です。
迫力があるわけではありませんが、アダルトな音を出したい人にはオススメします。
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Shubb S1 レビュー
恐らく世界で一番有名なカポブランドのシャブ。
その中でも最もスタンダードなモデルのS1をレビューしていきます。
素材はステンレス製。
スリーブはゴム製です。
Rは9~16inchまで対応しています。
殆どのギターに装着することができますね。
素材もステンレスやニッケル、ブラスやアルミなど色々リリースされています。
ちなみにシャブのモデルの数字は
と割り当てられています。
間違ったものを購入しないように注意しましょう。
こちらがシャブのラバースリーブ。
耐久性が高く、数十年使っても問題ないそうです。
交換用スリーブも数百円で購入可能です。
かなりユーザフレンドリーですね。
感触も硬すぎず柔らかすぎずでバランスが非常に良いです。
弦を押さえる部分が若干丸みを帯びています。
NSカポやG7thのカポはストレートですが、このお陰でシャブは指で押さえた時に近い音が出ます。
このちょっとした工夫も素晴らしいですね。
ローラー内蔵のレバー。
着脱がかなりスムーズに行えます。
また下部のネジで締め付けの強さを調節出来ます。
これはバネ式カポでよく見られる、締め付けが強すぎて音がシャープしてしまう現象を最小限に抑えることができます。
今でこそ締めつけ強度を調節可能なカポはスタンダードになりましたが、当初はかなり革新的なアイディアだったと思います。
シャブのカポに対する考え方や真剣さが伝わってきますね。
実際装着してみた所。
とてもミニマルなデザインで洗礼されています。
カポはなるべくフレットに近いところに装着すると、チューニングの狂いが少ないです。
といってもフレットの真上だと、スリーブ部分で弦振動が抑制されてしまいます。
特別な理由がない場合は、画像の位置に付けておけば問題ありません。
こちらが裏から。
Furch(nut 45mm)の場合、5フレットまでは問題なく装着できますが、6フレットあたりから弦が6弦側に持ち上げられ音がシャープしてしまいます。
取り付け方を工夫すれば弦を持ち上げずに装着できますが、そうすると全弦均等に圧力をかけることが難しくなります。
ちなみに装着するだけなら10フレットまで行けましたが、音程が変わってしまうので実用性は薄いです。
11フレットは長さが足りず全弦押さえることができませんでした。
ここまで上にカポを付ける事は稀ですが、参考までに。
Furchは指板が広いので対応できる幅も狭くなりますが、一般的なギターなら7フレット辺りまでが実用的だと思います。
自分のギターをしっかり観察して、使える範囲をある程度把握しておくことが大事です。
- サウンド
非常に高いレベルでバランスのとれた音です。
低音から高音までしっかりと出ますね。
指で押さえている時とのキャラクターの差が少なく、とても自然で音楽的な音です。
その分音に若干荒さがあります。
しかし個人的にこれはデメリットとは捉えていません。
他ブランドのクリアな音質のものは、逆に言えば無機質で機械的な音になる事があります。
シャブはこの機械的な音と人間的な音のバランスの取り方が非常にうまいとも言えますね。
重量も50g強とバランスがいいです。
したがって音も重厚過ぎず軽快過ぎずといった感じ。
とにかく良い音!って感じです。
価格的にも良心的なので、良いものを長く使いたい場合はここから始めてみてはいかがでしょうか?
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